ニキビ跡の中でも特に治りにくいと言われるのがオレンジの皮のように凸凹したクレーター状の跡です。これは炎症が真皮や皮下組織などの皮膚の奥深くにまで及んだことが原因です。角質とは違ってターンオーバーはなく細胞の入れ替わりは新陳代謝でとなるので、傷跡の修復には多くの年月を要しますし、完全に治らない可能性もあるのです。一種の傷跡なので治療は困難と言われてきたクレーター状のニキビ跡をきれいにできる最新の治療法も登場しています。

その一つが培養表皮移植です。皮膚の奥深くまで及んだくぼみを治すには一旦凸凹した皮膚を平らにしないといけません。しかし真皮を削るとなるとその傷が治るまでに相当な時間を要して余計に醜い傷跡となってしまいます。それを防ぐために培養表皮を用いる方法です。

表皮の定着はもちろん、それによって治癒力も高まると言われています。ただ、完全に治癒するまでは患部を刺激から守るために専用のテープなどで覆っておく必要があるため周囲の理解が必要になります。理屈だけではきれいに治りそうですが、誰でも成功するとは限りませんし、一旦皮膚を削ることに抵抗がある人も多いでしょう。また保険が使えない手術となるので高額な治療費がかかることもあり、治療を受けたくても受けられない人は多いようです。

このようにクレーター状のニキビ跡でも最新の治療法を用いればきれいに治る可能性も出てきました。絶対治らないと言われたニキビ跡もここまで治るようになってきたのですから、もしかすると近い将来もっと簡単に治せるようになる日が来るかもしれません。